
【熱帯魚の薬浴】間違ってない!?薬浴のやり方や戻し方、注意点
8分
熱帯魚のお腹がパンパンに膨れてる!?なんで!?
熱帯魚を長年飼育していると病気はつきものですが、その中でも厄介なのが、お腹がパンパンに膨らんでしまう『腹水病』。
お腹が膨張して鑑賞性も著しく低下してしまいますし、病気が進行すると衰弱死してしまいます。
熱帯魚が腹水病になるとどうなるのか?具体的な症状と治療法をご紹介します。
治療が難しい病気の為、早期発見・早期治療が大切で、治療は絶食と抗菌薬(グリーンFゴールドなど)による薬浴がおすすめです。
原因や予防の仕方、さらに妊娠との見分け方についてもご紹介しますよ。
それではいってみましょう。
腹水病は熱帯魚のお腹がパンパンに膨らんでしまう病気です。
といっても実はお腹が膨らむのは症状がかなり進んでしまっている状態なんです。
目で見てわかる症状が出た時には、既に手遅れの場合が多い為、致死率が高く、治すのが難しいと言われています。
その為、出来る限り早い段階で見つけ、すぐに治療してあげる事が重要です。
熱帯魚が腹水病になってしまった場合、どうなるのか具体的に見ていきましょう。
まず、最初の段階として食欲の減退が見られます。
さらにあまり泳がなくなります。
この段階では少し様子がおかしいかな?ぐらいで気が付かないと思います。
しかし、餌をあまり食べない場合は、基本的に何らかの病気になっている可能性が高いです。
この段階で治療できれば、完治は可能です。
しっかり餌を食べているか?糞をしているのか?を確認してください。
病気が進行すると消化器系を中心とした内臓疾患で腹部に水が溜まり、お腹が膨らんできます。
その為、この病気は『腹水病』と言われています。
この段階では既に治療が難しいのですが、治療できる可能性も0ではないので、できるだけ早く治療してあげると良いでしょう。
消化器官に問題がある可能性があるので、餌は与えてはいけません。
私は一回だけこの段階で発見・治療を開始して、完治した事があるよ!!ダメ元でも治療はしましょう!!
お腹がパンクしそうなぐらいパンパンに膨らみます。
白い糞を出すようになり、排泄の回数や量が減るなどの症状が出ます。
この状態までくると絶望的です。
呼吸の回数も増え、水槽の底でじっとしていたり、水面付近をふらふらしている事が多くなってきます。
ポップアイや松かさ病を併発する事が多く、衰弱して死んでしまいます。
腹水病はかかりやすい種類の魚がいます。
グッピー・コリドラス・ベタ・ネオンテトラ・グラミーなどです。
腹水病は早期発見・早期治療がとても大切です。
実は腹水病は治療が難しい病気で、しかも他の熱帯魚に移ってしまう事も確認されています。
もし熱帯魚が腹水病にかかった場合、まず病気の拡散を防ぐ為、腹水病にかかった魚を隔離してください。
隔離した魚はもちろんですが、メイン水槽に残っている魚の異変がないか様子を見てください。
腹水病は消化器官のダメージが原因の可能性があるので、しばらく餌を与えないようにしましょう。
熱帯魚は思ったほど餌を必要としないので、種類にもよりますが1週間ぐらい餌を上げなくても大丈夫です。
これが直接的な治療になるわけではありませんが、しばらく餌を与えない事で消化器官を休めてあげましょう。
腹水病の治療には、薬浴での治療をおすすめします。
薬浴とは魚病薬を飼育水に入れて治療していく方法です。
使用する薬はグリーンFゴールドや観パラD、エルバージュなどです。
目に見える症状がある場合、治療は困難ですが、ダメ元でも治療は行いましょう。
これは魚病薬ではないのですが、ニトロニダゾールと言われる物質が腹水病に効果があるとされています。
医薬品のフラジールなどがこの成分を含んでいます。
薬浴を行う場合は、何点か注意点があります。
薬浴の注意点に関しては別記事にまとめていますので、参考にしてください。
【熱帯魚の薬浴】間違ってない!?薬浴のやり方や戻し方、注意点
塩浴は直接的な治療効果を持っていないので、おすすめしません。
腹水病の初期段階なら、自然治癒力を高める為に塩浴をしてあげる事で、治癒する可能性があります。
しかし、症状が進行している場合は、薬浴を行った方が良いでしょう。
ただ、薬浴と塩浴を併用すると薬浴だけの場合より効果が期待出来ます。
その為、塩浴は薬浴のサポートする為に行うのがおすすめです。
腹水病の治療法として、ココア浴と呼ばれるものがあります。
みなさんが想像するあのココアを使った方法で、ココアを溶かした水の中で泳がせて治療する方法です。
普通の飲むココアを使うわけではなく、純ココアと呼ばれるものを使います。
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このココア浴ですが、実は賛否両論ありますし、化学的根拠のない民事療法になります。
ココア浴のやり方や注意点などは別記事にまとめていますので、参考にしてください。
治療は絶食と薬浴!!使う魚病薬はグリーンFゴールド、観パラ、エルバージュだよ!!
実は腹水病の原因に関しては、完全に解明されていません。
いろいろな仮説が立てられていて、水質悪化、バクテリア、内臓疾患、細菌、寄生虫などが原因と考えられていますが、特定には至っていません。
しかし、引き金となる原因がいくつかわかっています。
これは何の病気でも当てはまる原因のです。
熱帯魚がストレスを感じる事によって体のバリア機能が低下し弱ってしまいます。
すると病気にかかりやすいくなってしまいます。
熱帯魚が何でストレスを感じるかですが、実はいっぱいあるんです。
意外と気付いていない事でストレスを与えている場合も多いんですよ。
熱帯魚が弱る原因については別の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
水質の悪化などで病原菌が異常に増殖してしまった場合、感染して病気になってしまいます。
腹水病を起こす細菌としてエロモナス・ハイドロフィラ(運動性エロモナス菌)が考えられます。
この細菌、実は淡水に常駐している細菌なんです。
特にこのエロモナス・ハイドロフィラ(運動性エロモナス菌)はろ過装置が詰まったりなどすると爆発的に繁殖してしまいます。
内臓疾患の場合、与えている餌が問題の場合がよくあります。
餌が古かったり、合わなかったり、消化に悪いものだったり。
消化不良などを起こしてしまって、消化器官にダメージを受けてしまい、発病する事もあります。
餌自体の問題ではなく、あげ方や量などに問題があって発病してしまう事もあります。
お腹が膨らむのはメスの場合は繁殖の段階の可能性がありますし、餌の食べすぎでただ太っているだけの場合もあります。
実は腹水病は見分けるのがとても困難な病気でもあります。
えっ!?お腹が膨らんでいても病気かどうかわからないって事?
そうなんだよね。でもいくつか見分ける点があるよ!!
とても見分けが難しい腹水病ですが、熱帯魚を長年飼育してきた中で私個人の見分け方があるのでご紹介します。
まずは餌を食べるかどうかです。
腹水病になって場合、食欲の減退が見られます。
餌を与えてお腹が膨らんでいる熱帯魚が真っ先に食べるようなら、腹水病ではない可能性が高いです。
ただの食欲旺盛で太ってしまっただけの可能性があります。
しかし、肥満も良い訳ではありませんので、ダイエットさせた方が良いでしょう。
熱帯魚の肥満については他の記事でまとめていますので、そちらを参考にしてください。
次に体全体をよく観察して変化を見るです。
腹水病の場合、鱗(うろこ)が逆立っている症状がよく見られますし、ポップアイと呼ばれる目が飛び出たような状態になっている事もあります。
妊娠の場合、稚魚や卵が透けて見える事もあります。
見分ける為の手がかりがあるかもしれませんので、お腹が膨らんでしまっている熱帯魚がいたら、体全体をよく観察してください。
これは私見で断言できる訳ではありませんが、お腹の膨らみ方が若干違うような気がします。
妊娠の場合は、熱帯魚のお腹の後ろの方が張り出すのですが、腹水病の場合はお腹が全体的に丸く膨らむ気がします。
腹水病は治療の難しい病気でもある為、予防する事がとても大切です。
まずは熱帯魚達にストレスを与えない環境を作る事。
急激な水質・水温の変化には気を付けたり、過密飼育になっていないかだったり、いじめられていないかだったり。
水槽の中が熱帯魚達にストレスを与える環境になってないか確認しましょう。
さらに腹水病を起こす細菌はろ過装置が詰まったり、底床の汚れなどで爆発的に繁殖するので、日常の管理を怠らないようにしましょう。
餌についても注意する必要があります。
餌をちゃんと食べているか?餌は古くないか?与えてる餌はその魚にとって最適なものか?などなど
発病してしまうと治すのが難しいので、餌にも気を使う事が病気の予防になります。
いかがでしたか?
腹水病は厄介な病気で致死率がとても高い病気です。
治療も難しい病気の為、早期発見・早期治療が重要になってきます。
発見したのが中期や末期の症状だとしても、治療できる可能性は0ではありません。
何もしないよりは、ダメもとで治療を試みるようにしてください。
治療は絶食と薬浴で、使う魚病薬はグリーンFゴールドや観パラD、エルバージュなどがおすすめです。
ココア浴については民事療法なので、賛否両論あります。
そもそも治療をしないといけない状態にならないように予防する事が大切です。
その為、熱帯魚にストレスを与えない環境作りや日常の管理をしっかり行いましょう。