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【熱帯魚の薬浴】失敗しない!薬浴のやり方&戻し方

7分

熱帯魚の薬浴治療やり方と注意点

熱帯魚を飼育していると病気は避けて通れないよね?

熱帯魚の専門病院ってないよね!?

ないよ!!だから自分で治療するしかないんだよ!!

もし熱帯魚が病気になってしまった場合、早期発見・早期治療が大切で、薬浴はとても効果的な治療法です。

しかし、熱帯魚への負担に大きく、失敗すると魚の命を危険にさらすことになってしまいます。

この記事では、熱帯魚の病気の治療に使われる薬浴のやり方や戻し方ご紹介します。

熱帯魚が病気になってしまったら、基本的に隔離し魚病薬を使って薬浴、治ったらしっかり水合わせをしてメイン水槽に戻してください

失敗しない為の3つのコツや薬浴期間中のお世話など薬浴について徹底解説しますよ。

それでは、いってみましょう。

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熱帯魚の薬浴ってなに?

熱帯魚の薬浴ってなに?

薬浴とは魚病薬といわれる薬の入った水で熱帯魚を泳がせる事です。

熱帯魚が病気になってしまった場合は、薬浴による治療がとても効果的です。

病気の症状や種類については別記事で詳しく解説していますので、ここでは割愛させていただきます。

実は薬浴はただ薬を入れれば良いというものではありません。

薬浴は病気の治療に効果的ですが、魚への負担も大きいので、ポイントを押さえる必要があります。

なんか難しいそうだな

難しくないよ!!

でも、ポイントを押さえておかないと他の生き物に影響が出たりするんだよね!!

ちょっと待って!?薬浴する前の3つの注意点

ちょっと待って!?薬浴する前の3つの注意点

薬浴を行う前に注意点が3つあります。

吸着ろ材は取り除く

吸着ろ材(活性炭やゼオライトなど)は必ず取り除いて下さい。

薬の成分を吸着してしまうので、薬浴の効果がなくなってしまいます。

これは意外と重要だよ!!薬入れても吸着されたら薬浴の意味がなくなっちゃうからね!!

水草は取り除く

基本的にほとんどの薬は水草を枯らせてしまいます。

投薬を行う前に水草は取り除くようにしてください。

水草に影響のない薬なども販売されていますので、その場合は基本的に取り除かなくても大丈夫です。

薬浴に弱い生体もいる

薬浴は全ての生体に出来る訳ではなく、薬浴に弱い生体もいるので気を付けてください。

まず、エビ類は薬浴に弱いので出来ません

少量の薬でも影響を受けてしまい死んでしまいます。

あとは、ナマズの仲間や古代魚の仲間なども薬浴には弱いと言われています。

薬浴したら最悪死んでしまう生体もいるから気をつけてね!!

薬浴に必要な道具と薬の選び方

薬浴に準備するもの

それで準備するものについて解説していきます。

薬浴の為に準備するものには以下のようなものがあります。

  • 魚病薬
  • 水槽(バケツやプラケースでもOK)
  • ヒーター
  • エアレーション

薬浴は基本的に病気の熱帯魚だけを隔離して行うので、そんなに大きな水槽は入りません。

薬浴用の水槽が別にあると良いのですが、虫を飼育する用のプラケースは意外と使えるので、これぐらいは準備しておきましょう。

エアレーションですが、投げ込み式のフィルターのついていないものしてください。

フィルターはいらないの?

薬浴の場合は基本的に使わないよ。

薬浴水槽のセッティング

隔離水槽のセッティング

薬浴と時の水槽のセッティングですが、隔離する水槽には対象の魚だけを入れるので、最低限の設備があれば十分です。

ただ、フィルターなどのろ過装置は設置しません

ろ過装置がないと水が循環しませんし、熱帯魚が酸欠に陥りやすい環境になるので必ずエアレーションをするようにしてください。

温度が上下すると熱帯魚に負担がかかりますし、冬は熱帯魚が生きていける温度ではないので、ヒーターを設置してあげてください。

隔離水槽にはヒーターとエアレーションだけ設置すると覚えてね!!

薬の選び方

魚病薬ですが、様々な種類があります。

魚病薬を選ぶ際にとても重要なのは、病気の種類に合っているかどうかです。

その為にはまず魚が何の病気になっているのかを判断する事が大切です。

魚をしっかり観察してどんな症状が出ているのかを確認して病気を特定しましょう。

ここでは割愛させて頂きますが、熱帯魚の病気の症状や使う薬については、病気ごとにまとめているので参考にしてください。

水草を育成している場合は、水草水槽でも使用可能かを確認する必要があります。

薬浴をすると基本的に水草は枯れてしまうので、水草水槽OKのものを選ぶようにしましょう。

熱帯魚の薬浴のやり方

薬浴の注意点

まず、別の水槽を準備して治療の対象となる熱帯魚に移してください

熱帯魚を別水槽に移したら、薬を入れていきます。

薬を多く入れたら早く治るというわけではないので、必ず規定の量を入れてください

薬によっては、日光の光によって効果が非常に薄れてしまうものもありますので、薬浴をするときは日光を遮るようにしましょう。

病気の魚は弱っていますので、水温の管理などはしっかりしてあげる事が重要です。

薬には効果が続く期間があり、数日経つと効果がなくなってしまう薬も多いです。

効果がなくなったら再度薬を投入するようにしてください。

薬の説明書に記載されている事が多いので、必ず守るようにしてください。

薬浴期間中のお世話

薬浴期間中のお世話

薬浴を開始してからについて、薬浴の基幹やお世話について解説します。

薬浴の期間

薬浴を終了するのは熱帯魚の病気が完治した時になります。

薬浴の期間は少なくても1週間以上と考えてください。

薬浴をすると2~3日で確かに症状は良くなるかもしれませんが、治ったという訳ではありません。

ここ薬浴をやめてしまうと、再発してしまう可能性も高いです。

症状が良くなってから1週間ぐらいは薬浴を続けるようにしてください。

薬浴中の水換え

薬浴中は基本的にろ過装置を使用しないので水質がどんどん悪くなります。

その為、3日に1回ぐらい水槽の3分の1程度を水換えするようにしてください。

薬浴を行っている魚は当然ですが、病気で弱っているので、負担にならないように様子を見ながら、水換えをするようにしてください。

水換えをすると当然薬の濃度は低くなるので、水換えした水の量に応じて再度薬を入れてあげましょう

薬浴中の餌はどうするの?

薬浴中はフィルターがついていませんので、水質が悪化しやすくなっています。

その為、餌はあげないのが基本ですが、餌を全く与えないと餓死してしまいます。

病気で衰弱していますし、体力を消耗していますので、薬浴中の餌は3日に1回、少量を与えるようにしてください。

全く食べないようなら、水が汚れるので与えない方が良いです。

元気がないからあまり食べないかも!!あげすぎは禁物だよ!!

薬浴の終わらせ方

薬浴の終わらせ方

魚が元気になったら、元の水槽に戻してあげましょう。

この時、いきなり元の水槽に戻してはいけません。

薬浴から戻す時も、水を合わせてあげるという作業が必要になります

まず、薬浴している水を3分の2を捨てて、元の水槽の水を数回に分けて足していきます。

これを2回程度繰り返してから、薬浴していた水ごと魚を元の水槽に戻します。

基本的に1日でやる訳ではなく、2回目は次の日にするようにして、とにかく時間をかけてゆっくり行いましょう

私は点滴を使って元の水槽の水を入れていき、2時間ぐらいかけて水合わせをし、次の日も同じ事をした後、魚だけをメイン水槽に戻します。

薬浴で失敗しない為の3つのコツ

薬浴で失敗しない為の3つのコツ

メイン水槽に薬は入れない方がいい?

病気の薬浴治療は基本的に対象の魚を隔離して行いましょう

なんで隔離するの?と思われる方も多いのではないでしょうか?

メイン水槽に薬を入れない理由は、バクテリアです。

飼育水槽でもあるメイン水槽に薬を入れるとバクテリアを死滅させる結果になってしまいます

水草に影響はないと書かれていてもバクテリアには影響が出る場合がほとんどです。

実は飼育を水槽には熱帯魚だけでなく、生物ろ過を司るバクテリアも生息しています

バクテリアが死んでしまうと、水質の悪化しやすくなってしまうので、隔離した方が良いです。

でも実際は病気によるんだよね!!私の場合、白点病などはメイン水槽ごと薬浴するよ!!

水温を上げると効果的!?

熱帯魚の病気の治療で『水温をあげる』と書かれている事がよくあります。

病気によっては水温を上げる事で薬の効果が上がるものもあります

病原菌や寄生虫によっては水温を上げてやるだけで弱ってしまうものもいます。

しかし、熱帯魚も急激な水温変化には弱いので、水温を上げる場合は一気に上げるのではなく、1日ぐらいかけて徐々に上げてください。

中途半端な薬浴はしない?

病気になりそうだからちょっとだけ薬入れておこう!!

そんなことしちゃダメだよ!!薬浴が逆効果になちゃうよ!!

あなたはちょっとだけ薬を入れておくみたいな薬浴していませんか?

中途半端に魚病薬を使って薬浴すると、菌や寄生虫が耐性を持ってしまうので逆効果です。

その為、薬浴を行う際は中途半端ではなく、病気の源を倒しきるつもりで行ってください

少ない量や少ない時間で薬浴すると、その分菌や寄生虫へのダメージも少なくなります。

菌や寄生虫が耐性を持ってしまうと、病気を治すのが難しくなってしまいますので、中途半端な薬浴はやめましょう。

番外編!?こんなやり方もある!?

こんなやり方もある!?

これは熱帯魚ショップのおじさんに教えてもらった薬浴の方法ですが、水槽ごと薬浴する事になりますし、賛否両論ありそうな方法ですので、参考程度にしてください。

メイン水槽ごと薬浴する事になるので、水草などは取り除いておいてください

  1. まず、バケツなどの少し小さめの容器に水槽から飼育水を移します。
  2. その容器に薬(薬の濃度は濃い目)を入れます。
  3. その中に病気の熱帯魚を入れて、2~3分様子を見てください。
  4. 2~3分経ったら、薬の入った水ごと熱帯魚を水槽に戻してください。
  5. その後は様子を見ながら、薬浴を行ってください。

私も聞いた時は「そんな濃い薬の中に魚を入れて大丈夫?」と思いました。

でも、その時私の水槽では魚達がエロモナス病を次々と発症し死んでいく状態で、薬浴しても効果がない状態でした。

ダメもとでこの方法を試してみると、なんとエロモナス病が収まり、魚達が元気になりました

エロモナス病やカラムナリス病などに効果のある方法で、白点病などにはあまり効果がないようです。

この方法は初耳でしたし、本当にこんな事しても大丈夫なのか定かではありませんこの方法でエロモナス病の熱帯魚が完治したのは事実なので、薬浴の方法としてはありなのかなっと思いました。

薬浴に関するFAQ

薬浴に関するFAQ

水槽の薬浴期間はどれくらいですか?

基本的には病気が治るまでです。ただ症状が良くなってから1週間は薬浴を継続するようにしてください。

薬浴の温度は何度が適していますか?

28℃が良いと思います。私はいつも28℃で薬浴します。

薬浴中に水草は枯れますか?

基本的に枯れます。水草OKのものなら大丈夫かもしれませんが、薬浴中はもちろんその後もどんどん枯れていくので取り除いた方が良いでしょう。

薬浴中に水換えはする?

ろ過装置を使わないので水換えはしてください。大体3日に1回ぐらいがおすすめです。頻繁に換えると弱っている魚にストレスを与える事になるので、様子を見ながら水換えをしましょう。

薬浴中に餌は与えても大丈夫?

大丈夫ですが、量は少量にしてください。ちゃんと食べるようなら少量を与える、食べないようなら数日は与えないようにしてください。

まとめ

薬浴のまとめ

いかがでしたか?

今回は薬浴について詳しく解説しました。

注意点やコツをまとめると以下のようになります。

  • 薬浴は基本隔離して行う
  • 期間は最低でも1週間
  • 隔離水槽は最低限の設備でろ過装置は使用しない
  • 必ずエアレーションをする
  • 餌は餓死しない程度にあげる
  • 薬は規定量を必ず守る
  • 少し薬を入れておくはダメ
  • やる時は菌や寄生虫を倒しきるつもりで行う
  • 終わったら水合わせをして戻す

熱帯魚の病気は早期発見、早期治療が大切ですが、病気にならないようにする事が最も大切です。

薬浴が必要にならないように日頃のメンテナンスや魚の状態に気を配りましょう。

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