アクアリウムの水質チェックと調整方法
この水槽の水・・・茶色い!?大丈夫!?
9分
この水槽の水・・・茶色い!?大丈夫!?
これは大丈夫!!ブラックウォーターと呼ばれるものだから茶色いんだよ!!
ブラックウォーターってよく聞くけど、なんでわざわざ水槽の水を茶色く濁らせるの?
そう思われる方も多いのではないでしょうか?
この記事ではブラックウォーターの作り方やその効果(メリット・デメリット)、さらに茶色い水の正体についてもご紹介します。
ブラックウォーターはただの茶色い飼育水ではなく、フミン酸やフルボ酸の溶け込んだ茶色い弱酸性の水で熱帯魚によっては本来の環境に近い水なんです。
ブラックウォーターを再現する理由や向いている熱帯魚もご紹介しますよ。
どうぞ、ご覧ください。
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ブラックウォーターは黒というよりは茶色い水です。
アクアリウムではこの茶色い水、ブラックウォーターで熱帯魚を飼育したりします。
えッ!?なんで!?透明の方がきれいじゃん!?
なんでわざわざ茶色い水で飼育するの?
それは熱帯魚達にとって本来の水の色だからだよ!!
実は熱帯魚の故郷の1つでもあるアマゾン川などは、茶色の水が自然界に当たり前のように存在しているんです。
つまり熱帯魚の種類によっては、透明の水よりブラックウォーターの方が本来の環境だったりする訳です。
アクアリウムではその環境を再現する為にブラックウォーターと呼ばれる茶色い水を作って飼育したりします。
実際に現地に水を汲みに行くというのは無理があるので、人為的にブラックウォーターを作らなければいけません
それではブラックウォーターはどうやって作れば良いのでしょうか?
ブラックウォーターを作る方法はいくつかあるのですが、ここでは4つご紹介します。
アクアリウムショップに行けば、ブラックウォーターを作る為の商品がいくつか販売されています。
ブラックウォーターを作るうえで一つ注意点があります。
吸着ろ材は使用出来ないので、使っているようなら取り除いてください。
吸着ろ過に使われる活性炭などは、水を茶色くする成分を吸着します。
いくら頑張ってブラックウォーターを作っても、その成分が吸着されてしまっては意味がありません。
その為、活性炭などを入れていると、ブラックウォーターは作れません。
これが一番簡単で早いと思います。
テトラさんから販売されている『ブラックウォーター』を規定量水槽の中に添加するだけです。
流木を沈めるのも1つの手です。
レイアウトとして使用する流木は沈めると数日で水が茶色くなります。
基本的に流木はアク抜きという作業をしてから使うのですが、そのまま使うとタンニンがにじみ出るので水が茶色になります。
これは大きな葉っぱです。
ブラックウォーターを作る為に使われるもので、水槽に沈めておくだけでブラックウォーターが出来ます。
これはマツボックリみたいな感じの実です。
使い方はマジックリーフと同じで、沈めておくだけです。
他の方法として、紅茶を使ってブラックウォーターを作る方もおられるそうです。
コストを抑えたい場合はこの方法もありなのですが、あまりおすすめしません。
確かに紅茶からもタンニンを含んだ茶色い水を作る事は可能です。
しかし、紅茶に含まれるカフェインはリスクがあり、卵の孵化を阻害する働きがありますので、注意が必要です。
故郷の水に近い水を再現する為にブラックウォーターにするのですが、ただ茶色いだけという訳ではないんです。
ここではブラックウォーターにする事でどんな効果があるのかを解説していきます。
ブラックウォーターはメリットもありますが、デメリットも多いです。
水槽の水をブラックウォーターにする場合は、メリット・デメリットをしっかり理解したうえで行うようにしてください。
故郷がアマゾン川の熱帯魚はたくさんいます。
ブラックウォーターは多くの熱帯魚達にとって故郷の自然の環境なのです。
つまり、最高の環境という事なんです。
ブラックウォーターには後で解説しますが、フルボ酸が含まれています。
このフルボ酸には殺菌作用があり、水中の殺菌や消毒が出来ると言われています。
その為、魚の病気や感染症などリスクを下げるとともに、治癒力を高めてくれるんです。
アクアリウムショップでは調子の悪い魚をブラックウォーターで飼育して回復させる事もあります。
熱帯魚の中にはブラックウォーターで飼育する事で、発色が良くなる熱帯魚がいます。
熱帯魚は生き物です。
本来棲んでいる環境に近い環境で飼育されると、当然ですが魚も調子が良くなります。
これは魚にもよりますが、良い環境で飼い込むと発色が良くなる熱帯魚は意外と多いです。
色揚げを考えるのであれば、ブラックウォーターで飼育するというもの1つの手です。
熱帯魚達は本来の環境に近い環境だと安心します。
その為、本来ブラックウォーターの環境に生息している熱帯魚はブラックウォータで飼育すると安心し、繁殖行動が促される効果あります。
そうすると繁殖の成功率も高くなってきます。
全ての魚にブラックウォーターが良いという訳ではありません。
合わない熱帯魚にとっては最悪な環境と言っても良いです。
特に弱アルカリ性の水質を好む熱帯魚の飼育は出来ないと考えてください。
実はブラックウォーターには抗菌・殺菌効果があります。
その為、アクアリウムで大切なろ過バクテリアも細菌の一種なので、ろ過能力が下がります。
ろ過効果が全くなくなるというわけではありませんが、水槽立ち上げからブラックウォーターにするのは、やめた方が良いでしょう。
ブラックウォーターは水が茶色ので、日光やライトなどの光を通しにくい環境になります。
水草は植物なので光合成を行わないと育ちません。
光合成をするのには、当然ですが光は必要です。
光を通しにくい環境は光合成を阻害してしまう事になる為、水草の成長は鈍くなります。
ブラックウォーターには水中のミネラル成分と結びつく為、カルシウムやマグネシウムの濃度が低下します。
エビや貝類の殻を形成するのに必要なカルシウムなどが不足するので、育ちにくくなります。
ビーシュリンプなどのエビをメインに飼育する場合は、ブラックウォーターにしない方が良いです。
それではブラックウォーターとは、具体的にどんな水なのか具体的に解説します。
そもそもアマゾン川など水ははなぜ茶色い色や黒をしているのでしょうか?
土の色とか?でも、そうなるとただの泥水だよね・・・
ブラックウォーターの色の原因は川の周りに生息している木や枯れ葉などなんです。
木や枯れ葉からタンニンを含むフミン酸やフルボ酸といった成分が水に溶け出し水を茶色や黒にしています。
タンニンとは、植物に由来し、タンパク質、アルカロイド、金属イオンと反応し強く結合して難溶性の塩を形成する水溶性化合物の総称。植物界に普遍的に存在している。
出典:出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 https://world-food.info/chili-con-carne
水槽のレイアウトとして流木を使用した時、水が茶色く濁ってしまったという経験をお持ちの方もおられると思います。
実はあれもタンニンという物質が溶け出す事によって色がついているんです。
ブラックウォーターにはもう一つ特徴が、弱酸性の水という事です。
フミン酸やフルボ酸は酸性の物質なので、ph的に弱酸性の水です。
フミン酸?フルボ酸?
難しいから覚えなくても大丈夫だよ!!
酸性の物質が含まれているから、弱酸性になるって事だけ覚えてね!!
まとめるとブラックウォーターは酸性の物質が溶け込んだ茶色い弱酸性の水という事になります。
ここまでブラックウォーターについて解説してきましたが、アクアリウムではなぜこれを再現しようとするのでしょうか?
最大の理由は熱帯魚が本来暮らしている自然の環境に近付ける為です。
熱帯魚は本来野生の生き物で、熱帯の川に生息している魚です。
当然ですが、本来の自然の環境に近い環境は熱帯魚達にとって最高の環境です。
ストレスは少ないので魚の調子も良くなりますし、発色もとてもよくなります。
つまり、熱帯魚にとって快適に暮らせる環境を作り出すためにブラックウォーターを再現するんです。
ただ、全ての熱帯魚がブラックウォーターを好むわけではなく、本来の環境が透明な水の川で泳いでいる魚にとっては居心地が最悪な環境になってしまう事もあります。
それではどんな熱帯魚がブラックウォーターでの飼育に向いているのでしょうか?
答えは簡単で本来生息している川がどこか?を調べればわかってきます。
アマゾン川(ネグロ川)、モラヴァ川、オリノコ川、インドネシアのカリマンタン島の湖や河川、セントジョンズ川、ゴードン川など故郷とする熱帯魚はブラックウォーターでの飼育が向いています。
ここでは、ブラックウォーターでの飼育が向いている生体をいくつかご紹介します。
ネオンテトラやカージナルテトラなどのテトラ類はブラックウォーターが得意な生体としても有名です。
これはテトラ類はそもそもブラックウォーターの環境で暮らしている熱帯魚なので、不利に働く事はありません。
さらに、繁殖もこのブラックウォーターが大きく関係しているとも言われています。
生きたインテリアと呼ばれるほど美しい熱帯魚で、ビンでも飼育できてしまう魚です。
闘魚と呼ばれるほどの熱帯魚でもあり、単独での飼育が基本となります。
熱帯魚の王様と呼ばれる熱帯魚です。
飼育は少し難しいので、初心者向きの熱帯魚ではありません。
しかし、アクアリウムをやっていると一度は飼育してみたいと思う熱帯魚です。
淡水域に生息する大型の古代魚です。
外見の美しさにとても定評がある熱帯魚ですが、かなり大きいので、大きな水槽が必要です。
いかがでしたか?
今回はブラックウォーターについてご紹介しました。
ブラックウォーターは弱酸性の茶色い水の事で、熱帯魚達にとっては故郷の環境に近い最高の環境です。
しかし、全ての熱帯魚が向いている訳ではありません。
向かない熱帯魚だっていますし、デメリットもあります。
ブラックウォーターを作る場合は活性炭は使わないようにしてください。
せっかく作ったブラックウォーターがあっという間に透明の水になってしまいます。
ブラックウォーターでの飼育に向いている熱帯魚にとっては最高の環境なのでストレスも少なく、快適に暮らせる環境になります。
病気の予防や繁殖の促進、さらに色揚げなどのメリットもあるので、一度試してみても良いかもしれませんね。
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