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【水槽の水質】水質を表す指標とチェック、調整の仕方
6分
水槽はとても小さく密閉された空間でありながら、小さな自然界に似たシステムで成り立っています
熱帯魚も生き物ですから、もちろん糞をしますし、餌の食べ残しをします。
これを綺麗にするのが水槽に取り付けるフィルターなのですが、どうやって綺麗にしているのでしょうか?
水槽のろ過の仕組み、さらにとても重要な生物ろ過とバクテリアについて詳しくご紹介します。
アクアリウムをする上で、とても重要な項目になりますので、しっかり覚えましょう。
どうぞご覧ください。
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熱帯魚を飼育する上で『ろ過』とは、水槽内の生物が出した汚れを綺麗にし、水槽内の水を健全に保つ事です。
熱帯魚も生き物なので、糞をします、餌の食べ残しもします。
すると当然ですが、どんどん水は汚れていきます。
自然の河川や海では汚れや有害物質がろ過されていくサイクルが成り立っています。
しかし、小さな閉じられた空間である水槽ではそのサイクルを作る必要があります。
その為に設置されるのが、ろ過フィルターです。
適正なろ過が行われる事で熱帯魚が棲みやすい環境が良くなります。
ろ過には物理ろ過、生物ろ過、化学ろ過の3つのろ過の種類があります。
簡単に言うとゴミを取ってあげる事です。
水草の切れ端や餌の食べ残しなど、目に見えるゴミをスポンジなどで除去します。
生物ろ過や化学ろ過の前処理として行われる事が多く、生物ろ過の負担増加を防ぐ目的があります。
熱帯魚を飼育する上で最も重要になってくるろ過の仕組みです。
物理ろ過によって除去されたゴミはそのままにしておくと腐り、猛毒であるアンモニアが発生します。
このアンモニアを微生物(ろ過バクテリア)によって害の少ない物質に分解する仕組みが生物ろ過です。
アンモニアを亜硝酸塩に分解し、それを比較的無害な硝酸塩へと分解します。
この硝酸は比較的無害であって高濃度になれば有害です。
その為、この硝酸塩を取り除く為に定期的な水換えを行うのです。
吸着ろ過とも言われます。
熱帯魚に悪影響を与える汚染物質を化学的原理によって除去する事です。
活性炭やゼオライトなどが代表的です。
黄ばみやにごりの原因となっている物質を吸着・分解するろ過方法です。
熱帯魚を飼育する上で最も重要なのは生物ろ過です。
ろ過環境を作るとはこの生物ろ過をうまく機能させる事です。
アンモニアなどの有害物質が水槽内に溜まっていくと当然ですが、熱帯魚は生きていく事は出来ません。
毎日水換えをしなくても、有害物質を無害なものに変えていく仕組みを水槽内で作ってあげる事がろ過環境を作ってあげるという事になってきます。
熱帯魚の飼育の上で最も重要な生物ろ過です。
この生物ろ過というのは食物連鎖で自然界ではそのサイクルが成り立っていますが、小さく密閉された空間でもある水槽では、そのシステムを起こす必要があります。
生物ろ過というのは水槽の毒素分解を担っています。
生物ろ過は熱帯魚の糞や餌の食べ残しをいろいろなバクテリアが協力して、猛毒のアンモニアを亜硝酸に、それをさらにほぼ無毒の硝酸塩に分解するという仕組みになっています。
さらに水草を育成している場合、硝酸塩を水草が養分として吸い、酸素を出し、それを魚達が吸い、餌を食べ糞をします。
この生物ろ過がうまく機能する事によって水換えの頻度を減らす事が出来、熱帯魚が元気に暮らせる環境になります。
ちなみにろ過不足になるとどうなるのかは別記事で詳しくまとめていますので、参考にしてください。
生物ろ過を行うバクテリアは一つだけではなく、いくつか種類があります。
いろんなバクテリアが協力し合って熱帯魚が快適に暮らせる環境を作り出しています。
腐敗細菌とも呼ばれます。
ろ過を担うバクテリアとして最初に活躍するのがこの『従属栄養細菌』でタンパク質や炭水化物を餌にしてアンモニアを作り出すバクテリアです。
これが浄化サイクルの最初の段階になります。
増殖力旺盛で増えやすく、どこにでもいます。
多くのバクテリアがこの従属栄養細菌と呼ばれる種類です。
独立栄養細菌は無機化合物(二酸化炭素、重炭酸塩など)または光をエネルギー源として生育するバクテリアです。
増えるのに時間がかかるバクテリアですが、熱帯魚飼育の上で最も重要なバクテリアでもあります。
従属栄養細菌が作り出したアンモニアをエネルギー源として取り入れて、亜硝酸塩を生成するバクテリアです。
ニトロソモナス属が生成した亜硝酸塩を硝酸塩に変える事の出来るバクテリアです。
嫌気性従属栄養細菌は酸素の少ない環境におくと、亜硝酸塩や硝酸塩を窒素に還元し気化させて水槽の中からなくす事が出来ます。
水換えによる浸透圧の変化に耐えられない熱帯魚の飼育や繁殖に用いられますが、このバクテリアは少ない方が好ましいです。
このバクテリアが生成する物質には、悪影響を及ぼすものもあり、水の臭いが不快なものになってしまうのは、このバクテリアが生成する硝化水素によるものです。
それではバクテリアはいったいどこからやってくるのでしょうか?
バクテリアは特殊な生き物ではなく、空気中に漂っているホコリやゴミの中にいたり、魚や水草に付着していたりします。
なので、水槽に水を入れておけば自然に水の中に発生します。
熱帯魚の飼育で重要なのはニトロソモナス属とニトロバクター属のバクテリアを増やす事です。
それではどうしたらバクテリアを増やす事が出来るのでしょうか?
バクテリアを増やす方法を具体的にご紹介します。
ニトロソモナス属とニトロバクター属も好機性(酸素を必要とする)と呼ばれているバクテリアです。
つまり、これらのバクテリアは生きていく為に酸素を必要とするんです。
バクテリアを増やす為には、エアレーションなどで常に酸素を送り込んであげれば良いのです。
『水槽立ち上げ時はエアレーション強めで』と言われているのは、このバクテリアを増やすのが目的だったりします。
次に必要なのはバクテリアが定着できる場所です。
何も無い水槽だとガラス面や床に定着します。
底床を入れてあげるだけでも、バクテリアが定着できる場所が劇的に広がります。
バクテリアはデコボコしたところが好きです。
水槽やろ過装置などの表面積が多ければ多いほど、バクテリアが定着出来る場所が増える事になるんです。
バクテリアはとても弱い生物で水道水で洗ってしまうと死んでしまいます。
どれだけバクテリアの定着できる場所を増やして、バクテリアを増やしたとしても、それを水道水で洗ってしまったら、全く意味がありません。
フィルターや底床を洗う時は水道水ではなく、基本的に飼育水を使う方が良いです。
いかがでしたか?
水槽のろ過の仕組みには、ゴミを取る物理ろ過、有毒物質を比較的無害にする生物ろ過、濁りや黄ばみを吸着する化学ろ過の3種類があります。
特に重要になってくるのが、生物ろ過です。
その生物ろ過を担うバクテリアを増やしてあげる事がろ過環境を作るという事になります。
バクテリアを増やす為には、酸素を供給してあげる事とバクテリアが棲む事が出来る場所を増やす事が大切です。
ろ過はアクアリウムの中で最も重要な項目です。
しっかり理解しておきましょう。
さらに、ろ過不足になるとどんな症状が出るのかを理解しておく事もとても大切です。
別記事で詳しくご紹介していますので、そちらも読んでみてください。
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