NEXT
【重要】水草水槽における底床の役割と選び方
8分
なんか水草の色がおかしい!?なんか黄色い!?
もしかしたらそれ窒素やリンが不足しているのかも!?
実は水草の症状から不足している栄養素がわかったりするんだよ!!
水草の色がおかしいなど、水草が上手に育たない場合、肥料を入れてやると改善する場合があります。
しかし、何も知らずに肥料を与えても意味がない場合があります。
この記事では水草の症状から見る栄養不足と追肥のコツをご紹介します。
水草の症状からどの栄養素が不足しているのかを把握し、その栄養素を補ってあげる事が大切です。
それではいってみましょう。
<広告>
水草を育成していると水草が上手に育たなかったり、色がおかしかったりなど、いろいろな症状が見られます。
原因はいろいろあるのですが、今回は栄養不足という観点に絞って解説していきます。
水草が栄養不足の場合、肥料を使うのですが、ただ肥料を入れれば良いという訳ではありません。
水草の症状から原因を探って、足りていないものを補う為に肥料を使います。
まずは水草の症状から原因を見つけましょう。
あなたの水槽の水草に以下のような症状が見られるかどうか確認してみてください。
ただ水草が黄色くなったといっても、どこが黄色くなったのかによって原因が違います。
根元から黄色くなってきた場合は窒素不足、全体的に水草が黄色くなってきているのであれば、窒素・リン不足が考えられます。
葉の緑がまばらだったり、葉脈の緑を残して黄色くなっているようなら鉄・マグネシウム不足が考えられます。
どこが白くなったのかによって原因が違います。
まず下葉が白くなってしまっている場合はカリウム不足が考えられます。
茎や根の先端にあり、細胞分裂を繰り返し、新しい植物体を作り出している成長点が白くなっている場合はカルシウム・鉄不足が考えられます。
新しい葉が小さくシワシワ、新芽の萎縮や縮れは様々な栄養素が当てはまりますが、カリウム・カルシウム・鉄などの不足が考えられます。
葉に黒い点が出来てしまった場合は、カリウム不足が考えられます。
もし底床(底に敷く石や砂)を変えた直後の場合は、底床の粒子が舞って、それが水草に降り積もって黒い点に見える場合もあります。
これに関してはいろいろな原因が考えられます。
まず照明時間や直射日光などの問題です。
照明時間が長すぎたり、照明以外に太陽の光が水槽に当たっている事が考えられます。
もし水草の成長が悪い、育たない場合はCO2の不足が考えられます。
実はコケの種類によっても何が原因なのかが違ってきます。
生えているコケが緑藻の場合は窒素の過剰状態が考えられます。
黒髭ゴケも見られる場合はリンの過剰状態が考えられます。
まず疑われる原因として、光量不足が考えられます。
光量を増やしてもダメなら底床の栄養不足が考えられます。
もし水草だけで育成していて、生体がいないようならリンの不足が考えられます。
水草を育成する為には必要な栄養素があります。
たくさんあるのですが、大きく分けて3つに分類する事が出来ます。
水草を元気に育てる上でとても重要な栄養素と言われているのが、三大栄養素と呼ばれている『窒素』『リン』『カリウム』の3つです。
三大栄養素と呼ばれている事からもわかるようにどれも欠かす事の出来ないものです。
水草に緑を与える葉緑素の主成分となるもので、葉や茎を形作る為に必要になる栄養素です。
三大栄養素の中でも最も量が必要になります。
光合成量は窒素量に比例する為、『窒素量=水草の成長』と言っても過言ではない程、重要な栄養素です。
発芽や新芽の成長、開花や実をつけるのに必要な栄養素です。
DNAや細胞膜などの原料になり、エネルギーの代謝に深く関わる栄養素になります。
体内のタンパク質や炭水化物などの移動を助け、浸透圧の調整機能を持ちます。
光合成に必要なクロロフィル前駆体の合成に関わる為、光合成活動の促進に作用します。
他の2つと比べると不足しがちな栄養素で、水草が成長不全の原因になりやすい栄養素です。
多量二次要素は三大栄養素の比べると要求量は格段に減りますが、重要な栄養素です。
この多量二次要素の栄養素も3つあります。
他の栄養素を運搬したり、細胞内の情報伝達をするのに必要な栄養素になります。
細胞と細胞をつなぎとめる構造部分に必須の栄養素です。
代謝時に発生する有機酸を中和する役割も持っています。
アミノ酸やタンパク質の元となる栄養素です。
ソイルに含まれているのであまり不足する事はありません。
葉緑素を構成している栄養素で体内のリンの移動を助け、酵素の活力剤となります。
生きる為に必要な酵素はマグネシウムが不足すると、うまく働けなくなるので地味に重要な栄養素です。
微量要素は必要とされる量はそこまで多くなく、実際に水槽内に自然に発生していたり、水道水に入っているものも多い栄養素です。
微量要素の中で一番重要でカリウム同様水槽内に不足しがちな栄養素です。
酵素を生成する働きや酸素を運搬などの代謝活動などに必要な栄養素で、葉緑素の形成する為などにも必要です。
光合成に深く関与している葉緑体中に多く含まれている栄養素です。
鉄と同じように重要視されている栄養素になります。
その他にもホウ素(B)・塩素(Cl)・亜鉛(Zn)・銅(Cu)・モリブデン(Mo)などがあります。
もし水草が栄養不足になっている場合。肥料で補ってあげる必要があります。
実は水草の場合、とりあえず肥料を与えれば良いというものではありません。
『足りない部分を把握して、それを必要なだけ添加してあげる』という事が大切になります。
肥料と一言で言っても商品によって配合成分が違うので、足りないものが含まれている肥料を選ぶ必要があります。
実は水草の成長は最も少ない要素に左右されるからなんです。
これをリービッヒの最小律と言います。
下の図を見ていただくとイメージしやすいと思います。
いくら水を入れても、一番低いところから水が抜けてしまい、それ以上水は溜まらないですよね。
これと同じで水草にいくら栄養素を添加しても、最も少ない要素に左右されるので、成長には影響がないという事です。
例えば、窒素・リン・カリウムのどれかが0の場合、最も少ない要素の左右されるので、他の栄養素も一切使われないという事です。
水草の肥料には大きく分けて2種類のものがあります。
固形肥料と液体肥料で、それぞれメリット・デメリットがありますので、目的に応じて使い分けましょう。
その名の通り固形タイプのものでソイルなどの底床に埋めて使います。
特に砂利などの底床に栄養素が含まれていないものの場合、固形肥料を埋めてから水草を植えます。
栄養素の含まれているソイルでも、その栄養素は徐々に薄れていく為、固形肥料を追加することで長期間に渡り、水草の育成が継続可能です。
主に根からの吸収を目的としていますが、水中にも溶け出します。
底床に埋めて使う事を前提で作られていますので、底床からむき出しになっていると水中に大量に栄養素が流れてしまいます。
じわじわ溶け出していく為、水質への影響が少なく、効果も長く持続します。
固形なので栄養が不足している根元だけを狙って使用する事が可能です。
成分がじわじわ溶け出していくので、即効性が無いです。
局所的な作用が強い為、調整が必要になります。
その名の通り液体タイプのもので水にそのまま添加して使います。
水に添加する為、全体的に栄養が添加される事になり、水草は根からだけではなく、葉からも養分を吸収します。
その為、主に水中から栄養を吸収している水草に対してとても有効的な肥料です。
水にそのまま添加するので、簡単で即効性が高い肥料になります。
各栄養素を個々に与える事が可能です。
水に添加するので、水質への影響が大きく、持続性がありません。
水草別に調整する事は不可能で、主に根から栄養を吸収する水草には効きづらいです。
あとから肥料を入れる事を追肥(ついひ)と言います。
水槽肥料にはとてもたくさんの種類があり、配合成分も違います。
追肥のコツは足りない部分を知って、それを必要なだけ添加してあげるです。
その為にはまず何が足りていないのかを把握する事が大切ですので、水草に出ている症状から原因を探りましょう。
その探った原因から不足している栄養素を把握し、その栄養素の入っている肥料を入れてあげてください。
もし探った原因が正解なら、肥料を添加してすぐ水草は明らかな改善を見せる為、わかりやすいです。
各肥料商品には添加の分量や使用方法が書かれていますが、実際はいろいろな要因が絡んでくる為、それが必ずしもあなたの水槽に当てはまるとは限りません。
添加の分量は1つの目安と考えてください。
まずは少量ずつ添加しながら様子を見ましょう。
もし肥料を多く添加してしまうとコケの発生に繋がりますし、生体がいる場合は嫌がる為、大きなストレスとなります。
水草は元気になったけど、熱帯魚達の元気がなくなってしまったら、意味がありません。
水草はもちろん、他の生体や水槽のコケの状態など様子を見ながら添加していきましょう。
水草の成長や葉色が改善されるのであれば、それが適量です。
固形肥料の場合はじわじわと溶け出すので特に注意が必要です。
すべての栄養素が肥料で補わなければいけないという訳ではありません。
実は栄養素の中には水槽の中で勝手に作られる栄養素もあります。
その為、追肥が必要なのは、自然に発生しない栄養素で量が不足しがちな栄養素です。
具体的に言うと、窒素・リン・カリウム・鉄・マグネシウム・硫黄・カルシウムなどです。
いかがでしたか?
水草が育たないからといって、肥料を与えれば良いという訳ではありません。
水草が育たない、色がおかしい場合などおかしいなと思ったら、まず原因を探ってあげる事が大切です。
水草に出ている症状によって原因は違います。
不足している栄養素がある場合は、その栄養素の入っている肥料を添加し、足りない部分を補ってあげましょう。
追肥をする場合は必ず少量から行うようにしましょう。
商品に書かれている添加の分量や使用方法はあくまでも目安で、あなたの水槽に当てはまるとは限りません。
さらに、他の生体に大きなストレスを与えてしまう場合もあるので、とにかく少量ずつ追肥し様子を見てください。
NEXT
【重要】水草水槽における底床の役割と選び方