【熱帯魚の不調に!?】塩浴のやり方と期間・戻し方
ベタに白い点がいっぱい!?
10分
ベタに白い点がいっぱい!?
コショウ病は熱帯魚の体表に白くて小さい点が出来る病気です。
白い点々が付くんだったら、白点病じゃないの?
コショウ病は白点病と良く似ていますが、実は違う病気です。
この記事では熱帯魚がコショウ病になるとどうなるのか?治療法と原因、予防について詳しく解説します。
コショウ病は今どの程度の症状なのかを見極め、症状にあった魚病薬による薬浴+塩浴で治療していきます。
症状別の治療法や白点病との違いや見分け方についても解説しますよ。
どうぞ、ご覧ください。
コショウ病とは魚の体表にコショウを振りかけたように白い点がいっぱい付く病気です。
別名:ウーディニウム病・サビ病・ベルベット病。
特にベタによく見られる病気です。
体表やヒレはもちろんですが、眼球やエラなどにも白い点が付くことがあります。
白い点が付く病気というと白点病を思い浮かべる方が多いと思いますが、コショウ病も白い点が付く病気でちょっと厄介な病気です。
コショウ病ですが、特にベタに多い病気というだけでベタ以外の熱帯魚もかかります。
ベタ以外だと同じアナバスの仲間のグラミー、小型のコイの仲間や小型のカラシンの仲間なども発症します。
体長5cmぐらいの魚なら発病する可能性は十分にある病気という感じです。
まずは熱帯魚がコショウ病になってしまった場合、どうなるのか解説します。
初期症状ではエラに寄生します。
この段階ではまだ体に異常は見られないので、見た目ではわかりません。
熱帯魚が餌を食べなくなったり、体を震わせたり、体を擦り付けるようなしぐさを見せたら要注意です。
初期症状で見つけて対応するのはとても難しいんだよね!!
カラダを擦り付けるような仕草をしたらよく観察した方が良いよ!!
体に小さな白い点がポツポツ見られるようになります。
コショウ病の厄介なところは点が小さいので見つけにくいところです。
よく観察するとわかるのですが、ある程度数が増えるまで気が付かない事が多いです。
白い点が小さいから特に見つけにくいんだよね!!
熱帯魚に白いコショウをかけたように白い点がたくさん見られ、動かなかったり、苦しそうなしぐさが見られます。
寄生されると体液を奪われてしまう為、衰弱死したり、寄生された傷が原因で死に至ります。
エラに大量に寄生された場合、呼吸が出来なくなり低酸素症で死に至ります。
進行が早い場合、数日で水槽の熱帯魚が全滅してしまう事もあります。
コショウ病は初期症状で治療をする事がとても難しいので、重症化しやすいです。
発見しにくいから気付いた時は重症だったりするんだよね!!
白点病に比べると厄介な病気だね!
感染力が強く、体に白い点が現れた段階では、既に病気が進行している状態で重症化している場合も多いです。
早期発見・適切な治療が出来れば、完治の可能性はとても高くなります。
コショウ病の魚を発見したら、今どの程度の症状が出ているのかを見極める事が大切です。
まず水槽の水温を28~30℃に上げてください。
水温をいきなり上げてしまうと熱帯魚にとっても負担がとても大きいので、とにかくゆっくり上げましょう。
水温を上げる事で寄生虫は寿命が短くなりますが、増殖するスピードも上がります。
初期症状の場合、塩浴だけでも治る可能性があるので、塩浴を行いながら様子を見ましょう。
白い点が見られる場合は水草などを取り除いて、魚病薬による薬浴を行います。
水槽内には原因の寄生虫が蔓延している可能性が高いので、水槽ごと薬浴をおすすめしますが、隔離して薬浴を行ってもかまいません。
薬浴に使う魚病薬ですが、グリーンFやヒコサンZなどを使ってください。
規定量を投薬し、1日ごとに様子を見みながら、水が透明になっているようなら、規定量を再度投薬します。
治療中は3~4日ごとに3分の1の量を水換えし、水換えした水の量に対する規定量の薬を入れてください。
白い点が消え、魚が体を擦り付けるようなしぐさが無くなったら、あと1週間薬浴を続けてください。
様子を見て大丈夫そうなら水換えをして徐々に塩を抜き、少しずつ水温を戻して、治療は終了。
もし1週間以上治療を続けて、改善が見られない場合は重症の場合の治療に切り替えましょう。
まずコショウ病を発病している魚を隔離してください。
隔離したら初期・中期の時と同様に水温を28~30℃まで上げ、魚病薬による薬浴+0.5%の塩浴を行います。
重症の場合はグリーンFゴールドやエルバージュの魚病薬を使います。
この時に出来る限り光が当らないようにダンボールなどで遮光をしてください。
光を遮る事で薬の効果が弱まらず、さらに寄生虫に栄養を作らせなくします。
もし、魚の様子がおかしくなるようなら、3分の1の量の水換えをし、薬を抜いてあげてください。
治療中は3~4日ごとに3分の1の量を水換えし、水換えした水の量に対する規定量の薬を入れてください。
餌は極力与えないでください。
もし餌を食べるようなら少しだけあげましょう。
1週間薬浴を行い、白い点が消えている場合は薬浴は終了、消えていない場合は、そのまま薬浴を続けてください。
薬浴を終了したら、ダンボールを外しそのまま1週間塩浴のみを継続してください。
1週間塩浴をしたら、水換えをしながら塩を抜き、水温もちょっとずつ元に戻してあげましょう。
コショウ病が治ったからといって安心は出来ません。
実は白い点が目で確認出来る場合、水槽の中に蔓延している可能性が高いです。
初期~中期症状の時に水槽ごとの薬浴をおすすめしているのはこの為で、隔離して治療して戻したところにコショウ病が蔓延していたら意味がありません。
その為、隔離して治療する場合もメイン水槽の方は塩浴を行った方が良いでしょう。
塩浴を行いながら、水温をきちんと管理し、定期的に水換えをしてください。
1週間ぐらい塩浴を行って、問題がなければ、元に戻しても良いですが、水温・水質の管理はしっかりするようにしましょう。
症状によって魚病薬が違うよ!!
隔離する場合もメイン水槽は塩浴するようにしてね!!
コショウ病はウーディニウムという寄生虫が原因です。
白点病と同様に魚に寄生し成長しては離れ、増殖してはまた寄生する無限ループを繰り返します。
ウーディニウムは26度程度の水温だと約3日のサイクルで無限ループを繰り返します。
薬が効くのは成虫になって生体から離れてシスト(固い膜を作り一時的な休眠状態になったもの)になるまでとシストから仔虫を放出して生体に寄生するまでです。
つまり、寄生中とシストの状態では薬は効きません。
ウーディニウムは幼体の時は光合成をして栄養を得るので、重症の時の治療法でダンボールで光を遮るのは光合成を阻害する為です。
コショウ病はウーディニウムが原因ですが、そもそもの原因は魚と水槽環境にあると考えてください。
水換えや掃除を怠っていて水質が悪化していたり、それが原因で魚にストレスがかかり免疫力が弱くなっていたりする事が根本的な原因です。
白点病と同じような気がするんだけど、どこが違うの?
コショウ病と白点病はとても似た病気で、魚の体表に白い点が付いているように見えます。
この2つの病気は寄生虫による病気ですが、白点病はウオノカイセンチュウ、コショウ病はウーディニウムという寄生虫になります。
見分け方ですが、白い点の大きさと付着している量で判別しましょう。
白点病は目に見えて点が大きく、コショウ病の方は黄色っぽい色をしていて、粉のように点が小さくビッシリと付きます。
白点病ははっきりわかる白い点ですが、コショウ病は近くで見ないとわからないほどの大きさ。
その為、コショウ病は発見が難しく、発見した時にはもう重症という場合が多い為、白点病に比べ致死率の高い厄介な病気です。
コショウ病は初期症状での発見が難しいので予防する事がとても重要になります。
水質が悪化した場合やストレスなどで魚のバリア機能が低下した場合に感染します。
その為、定期的なメンテナンスをして水質管理を徹底し、普段から魚にストレスがかかる環境を作らない事が大切です。
急激な水温変化や水質変化には特に注意するようにしてください。
うつります。感染の能力も高いので放置すると大変な事になります。
リセットはデメリットの方が大きいのでおすすめしません。水草などを取り除いて塩浴または薬浴を行いましょう。
ウーディニウムという寄生虫です。
いかがでしたか?
今回はコショウ病についてご紹介しました。
コショウ病は熱帯魚の体表に白い点が出来る病気ですが、白い点が確認できる状態では重症化している可能性があります。
とにかく早期発見・早期治療が大切で、餌を食べなくなったり、魚が硬いところに体を擦り付けるような行動が見られたら、要注意です。
症状によって魚病薬が違うので、発症した場合、まずは今がどの症状なのかを判別してください。
魚病薬は初期~中期症状がヒコサンZ・グリーンF、重症化や治らない場合はグリーンFゴールド・エルバージュです。
水温を上げ、塩浴を同時に行うととても効果的です。
水温を上げない方が良いという声もありますが、温度を上げるのはウーディニウムを活性化させサイクルを早くするのが目的なので、私は行った方が良いと思います。
活性化させてどうするの?と思われるかもしれませんが、サイクルを早くして、そこを魚病薬で狙い打ちして短期間で直そうという考えです。
白点病と似ている病気ですが、白い点の大きさと付く量が違うので、そこで判別しましょう。
コショウ病は発見が難しい面がありますので、なってしまった場合は、とにかくすぐに治療を開始して愛魚の命を救いましょう。