
【熱帯魚の不調に!?】塩浴のやり方と期間・戻し方
8分
ベタに白い点がいっぱい!?
コショウ病は熱帯魚の体表に白くて小さい点が出来る病気です。
特にベタがなりやすい病気としてもよく知られています。
白い点々が付くんだったら、白点病じゃないの?
コショウ病は白点病と良く似ていますが、実は違う病気です。
コショウ病は別名ウーディニウム病・サビ病・ベルベット病なんて呼ばれる事もあります。
この記事では熱帯魚がコショウ病になるとどうなるのか?治療法と原因、予防について詳しく解説します。
コショウ病は今どの程度の症状なのかを見極め、症状にあった魚病薬による薬浴+塩浴で治療していきます。
症状別の治療法や白点病との違いや見分け方についても解説しますよ。
どうぞ、ご覧ください。
まずは熱帯魚がコショウ病になってしまった場合、どうなるのか解説します。
初期症状ではエラに寄生します。
この段階ではまだ体に異常は見られないので、見た目ではわかりません。
熱帯魚が餌を食べなくなったり、体を震わせたり、体を擦り付けるようなしぐさを見せたら要注意です。
初期症状で見つけて対応するのはとても難しいんだよね!!
カラダを擦り付けるような仕草をしたらよく観察した方が良いよ!!
体に小さな白い点が見られます。
白点病より少し黄色く、小さいのが特徴的です。
コショウ病の厄介なところは点が小さいので見つけにくいところです。
白い点が小さいから特に見つけにくいんだよね!!
熱帯魚に白いコショウをかけたように白い点がたくさん見られ、動かなかったり、苦しそうなしぐさが見られます。
寄生されると体液を奪われてしまう為、衰弱死したり、寄生された傷が原因で死に至ります。
エラに大量に寄生された場合、呼吸が出来なくなり低酸素症で死に至ります。
進行が早い場合、数日で水槽の熱帯魚が全滅してしまう事もあります。
コショウ病は初期症状で治療をする事がとても難しいので、重症化しやすいです。
点のつき具合でコショウ病・サビ病・ベルベット病と呼ばれる事もあります。
発見しにくいから気付いた時は重症だったりするんだよね!!
白点病に比べると厄介な病気だね!
感染力が強く、体に白い点が現れた段階では、既に病気が進行している状態で重症化している場合も多いです。
コショウ病にかかった生体を見つけたら、早く治療を行う事が重要ですが、まだ初期・中期の症状なのか、末期の症状なのかで、治療法が変わってきます。
その為、今どの程度の症状が出ているのかを見極める事が大切です。
コショウ病の治療は魚病薬を使いますが、同時に0.5%の濃度で塩浴を行ってください。
まず水槽の水温を28~30℃に上げてください。
水温をいきなり上げてしまうと熱帯魚にとっても負担がとても大きいので、とにかくゆっくり上げましょう。
水温を上げる事で寄生虫の寿命が短くなります。
しかし、増殖するスピードも上がりますので塩浴を行います。
塩浴と同時に魚病薬による薬浴を行います。
薬浴に使う魚病薬ですが、『ヒコサンZ』や『グリーンF』などを使ってください。
規定量を投薬し、1日ごとに様子を見ます。
水が青く染まっているようならそのまま、青色が透明になっているようなら規定量を投薬します。
治療中は3~4日ごとに2分の1の量を水換えしてください。
白い点が消え、魚が体を擦り付けるようなしぐさが無くなったら、あと4日薬浴を続けてください。
様子を見て大丈夫そうなら、治療は終了です。
【熱帯魚の薬浴】間違ってない!?薬浴のやり方や戻し方、注意点
もし1週間以上治療を続けて、改善が見られない場合は重症の場合の治療に切り替えましょう。
まずはコショウ病を発病している魚を隔離してください。
隔離したら初期・中期の時と同様に水温を28~30℃まで上げ、塩浴を行います。
同時に魚病薬による薬浴を行います。
重症の場合は『グリーンFゴールド』や『エルバージュ』を使って薬浴させてください。
【熱帯魚の薬浴】間違ってない!?薬浴のやり方や戻し方、注意点
この時に出来る限り光が当らないようにダンボールなどで遮光をしてください。
光を遮る事で薬の効果が弱まらず、さらに寄生虫に栄養を作らせなくします。
もし、魚の様子がおかしくなるようなら、2分の1の量の水換えをし、薬を抜いてあげてください。
餌は極力与えないでください。
もし餌を食べるようなら少しだけあげましょう。
1週間薬浴を行い、白い点が消えている場合は薬浴は終了です。
2分の1の量の水換えを行い、塩浴のみ切り替えもう1週間様子を見てください。
治らない場合は、2分の1の量の水換えを行います。
水換えした量の規定量の薬を投入し、薬浴を続けてください。
コショウ病が治ったからといって安心は出来ません。
実は白い点が目で確認出来る場合、水槽の中に蔓延している可能性が高いです。
その為、隔離して治療する場合もメイン水槽の方は塩浴を行った方が良いでしょう。
いくら隔離して治療しても、戻したところにコショウ病が蔓延していたら意味がありません。
塩浴を行いながら、水温をきちんと管理し、定期的に水換えをしてください。
1週間ぐらい塩浴を行って、問題がなければ、元に戻しても良いですが、水温・水質の管理はしっかりするようにしましょう。
コショウ病はウーディニウムという寄生虫です。
白点病と同様に魚に寄生し成長しては離れ、増殖してはまた寄生する無限ループを繰り返します。
ウーディニウムは26度程度の水温だと約3日のサイクルで無限ループを繰り返します。
つまり、寿命は3日ぐらいととても短いんです。
薬が効くのは成虫になって生体から離れてシスト(固い膜を作り一時的な休眠状態になったもの)になるまでとシストから仔虫を放出して生体に寄生するまでです。
つまり、寄生中とシストの状態では薬は効きません。
ウーディニウムは藻の仲間なので、幼体の時は光合成をして栄養を得ています。
重症の場合の治療で光を遮るというのは、この光合成を出来なくする為なんです。
コショウ病は初期症状での発見が難しいので予防する事がとても重要になります。
水質が悪化した場合やストレスなどで魚のバリア機能が低下した場合に感染します。
その為、定期的なメンテナンスをして、普段から熱帯魚にストレスがかかる環境を作らない事が大切です。
急激な水温変化や水質変化には特に注意するようにしてください。
白点病と同じような気がするんだけど、どこが違うの?
じゃぁ、コショウ病と白点病の違いについて見ていこう!!
コショウ病と白点病はとても似た病気で、魚の体表に白い点が付いているように見えます。
どちらも寄生虫が原因なのですが、コショウ病はウーディニウム、白点病はウオノカイセンチュウです。
見分けるのが難しいのですが、点の大きさで見分ける事が出来ます。
白点病は目に見えて点が大きく、コショウ病の方は黄色っぽい色をしていて、粉のように点が小さくビッシリと付きます。
白店病ははっきりわかる白い点ですが、コショウ病は近くで見ないとわからないほどの大きさ。
色での判別は難しいので、この2つの病気は白い点の大きさと付着している量で判別しましょう。
点が小さいので、コショウ病は発見が難しく、発見した時にはもう重症という場合が多いです。
その為、白点病に比べコショウ病は致死率の高い厄介な病気です。
コショウ病はベタがよくなる事で有名な病気ですが、実はベタの病気というわけではなりません。
コショウ病はどの熱帯魚でもなる可能性がある病気です。
ベタやグラミーなどアナバスの仲間、小型カラシン、ラスボラなどのコイの仲間、メダカの仲間などが特になりやすいです。
どの熱帯魚でもなる可能性のある病気なので、もし発症した場合は同じ水槽で泳いでいる他の種類の熱帯魚にも移る可能性があるので注意しましょう。
いかがでしたか?
今回はコショウ病についてご紹介しました。
コショウ病は熱帯魚の体表に白い点が出来る病気ですが、白い点が確認できる状態では重症化している可能性があります。
とにかく早期発見・早期治療が大切で、餌を食べなくなったり、魚が硬いところに体を擦り付けるような行動が見られたら、要注意。
魚病薬はヒコサンZ・グリーンF、重症化や治らない場合はグリーンFゴールド・エルバージュです。
水温を上げ、塩浴を同時に行うととても効果的です。
水温を上げない方が良いという声もありますが、温度を上げるのはウーディニウム活性化させサイクルを早くするのが目的なので、私は行った方が良いと思っています。
白点病と似ている病気ですが、白い点の大きさと付く量が違うので、そこで判別しましょう。
コショウ病は発見が難しい面がありますので、なってしまった場合は、とにかくすぐに治療を開始しましょう。