茶色い水!?水槽のブラックウォーターの作り方とメリット・デメリット
【水槽に入れる前に】流木のアク抜きの方法
7分
流木を使ったアクアリウムはとても魅力的ですよね?
実際に流木を水槽に入れたら、水が茶色に!?
実は流木は正しく処理しないとアクが出て、水槽の水が茶色くなっちゃうんです。
この記事では水槽に入れる前の流木の下処理についてご紹介します。
アクの抜き方はもちろん、そもそも流木のとは何なのか?流木の沈め方などもご紹介しますよ。
どうぞ、ご覧ください。
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なぜ水が茶色くなるのか?
流木を使ったアクアリウムはとても魅力的ですし、インテリアとしてもとても良いです。
しかし、いざ流木を購入してきて水槽に入れたら、水が茶色くなってしまった!?なんて経験はないでしょうか?
基本的に流木をそのまま水槽に入れてしまうと水が茶色くなってしまいます。
なぜ茶色くなってしまうのかというと、流木の中のアクが水に溶け出してしまうからなんです。
それではこの流木のアクの正体は一体何なのでしょうか?
そもそもアクってなに?
流木のアクというのは主にタンニン、フミン酸、フルボ酸などの腐植酸と呼ばれる物質です。
アクアリウムでは、透明な水を求める場合が多い為、水を茶色くしてしまうアクはマイナスの効果を発揮します。
特に水質がアルカリ性だと、流木のアクの溶け出し方は顕著になります。
水が茶色くなるので悪いものと判断されがちですが、実は必ずしも悪いものというわけではありません。
実は弱酸性の軟水に棲む熱帯魚達には、ほとんど悪影響はありません。
流木のアク抜きの方法
それでは、流木のアク抜きの方法は以下の5つがあります。
- 流木を水につける
- 流木を鍋で煮る
- アク抜き剤を使う
- 重曹を使う
- 活性炭を使う
どれも簡単な方法なので、実践してみてください。
流木のアク抜きをする前に、まずは流木を水洗いしてください。
流木の表面についた汚れなどを取っておく必要がありますし、腐ったり剥がれ落ちた部分が水槽に入れたら舞い上がってしまう事もあります。
たわしなどでこすり洗いしましょう。
それではそれぞれのアク抜き方法について具体的にご紹介します。
流木を水につける
流木が完全につかる容器を用意し、水を張って、長期間つけておきましょう。
流木を入れただけでは、浮いてくる事があるので、石などのオモリをつけて沈めるようにしましょう。
数日つけると水が茶色くなると思います。
水が茶色くなったら、その水を捨てて、また新しい水を入れて数日間おきましょう。
この方法はとても時間がかかります。
サイズにもよりますが、1~2ヶ月ぐらいはかかるものと思った方が良いでしょう。
流木を鍋で煮る
水洗いが終わった流木を鍋に入れて1時間ほど煮込んでください。
この方法は最も手っ取り早いですし、寄生虫や菌なども除去する事が出来るので、おすすめです。
しかし、鍋が汚れますし、光熱費もかかりますし、鍋に入るサイズの流木にしか使えないので、面倒な方法でもあるかもしれません。
水が茶色くなったら水を換え、再度煮込み、水が茶色く色付かなくなるまで行いましょう。
アク抜き剤を使う
バケツなどの容器にアク抜き剤の規定量溶かして、その中に流木を入れて数日つけ置きしましょう。
流木を水やお湯につける場合、実は市販されているアク抜き剤を使用すると、より早くアクを抜く事が出来ます。
アク抜き剤を使用してアクを抜いた流木はそのまま水槽に入れてしまうと水槽の水質がアルカリ性に傾けてしまうので、真水に数日つけ置きしてから水槽に入れるようにしてください。
重曹を使う
実は流木のアク抜き剤の成分はほぼ重曹であることがわかっています。
その為、わざわざ高いアク抜き剤を使わなくても安価な重曹で代用する事が可能です。
バケツなどの容器に1リットル当たり5g程度の重曹を入れて、あとはその中に流木を入れて数日つけ置きしましょう。
重曹は水質をアルカリ性に傾けるので、アク抜きした流木は真水に数日つけ置きしてから水槽に入れるようにしてください。
活性炭を使う
この方法は今までと違い、飼育水槽のアク抜きをする方法です。
水槽に入れた流木から溶け出してくるアクを活性炭の吸着効果で取ってしまう方法です。
アクアリウムで使う活性炭にはいろいろな商品がありますが、中でも特におすすめなのが、キョウリンのブラックホールです。
水をクリアにする能力はかなり高いのでとても高性能だと思います。
流木のアク抜きは必要なのか?
それでは流木のアク抜きは必要なのでしょうか?
流木のアクは熱帯魚達にとって害がほとんどないので、必ずしも必要という訳ではありません。
その為、流木のアク抜きをするかしないかは、どういうアクアリウムを目指すのかによります。
初心者の方は透明でキラキラした水を求めていると思いますので、アク抜きは必要です。
しかし、ブラックウォーターという水を求めるのであれば、流木のアク抜きは必要ありません。
アクのメリット・デメリット
それではアクのメリット・デメリットについて詳しくみていきましょう。
メリット
実は流木から出るアクは天然の有機酸のようなものなので、良い効果もあります。
まず、水質を弱酸性に調節してくれる効果があります。
南米や東南アジアを原産とする熱帯魚達は弱酸性の軟水を好む種類が多いです。
その為、熱帯魚の色が揚がったり、繁殖行動を誘発したりします。
現地の雰囲気を再現できるのも、このアクのメリットです。
実はアマゾン川などを原産とする熱帯魚は茶色い水の中で泳いでいたりします。
アクアリウムの世界ではこの茶色い水を『ブラックウォーター』と呼んでいて、熱帯魚にとって自然の水の色なんです。
その為、流木のアクの物質をあえて水中に含ませてたりします。
水が茶色くなると、もちろん透明度が下がります。
えっ!?デメリットじゃんと思われるかもしれませんが、水の透明度が低いと視界が悪くなり、水槽の外の世界が見えにくくなるので魚達は落ち着きます。
デメリット
水が茶色い水はメリットでもありますが、デメリットと思われる事の方が多いかもしれません。
水に色が付いていると汚れているようにも見えますし、透明度も低くなるので、最悪魚が見えなくなってしまう場合もあります。
さらに光が遮られてしまうので、水草が枯れてしまう可能性もあります。
アクの出ている水というのは、有機酸がたくさんある水という事になります。
もし魚が病気になってしまった場合、薬を使って薬浴をさせると思いますが、有機酸のたくさんある水は薬の効果が下がります。
まとめ
いかがでしたか?
流木のアクは水槽の水を茶色くしてしまう為、悪いものと思われがちですが、実は必ずしもそうではありません。
熱帯魚達に害はほとんどありませんし、本来アマゾン川などに棲んでいる生体にとっては自然の景色です。
どういうアクアリウムを目指すかによってアクを抜くか抜かないかは決まります。
しかし、どれくらいのアクが出るのかが未知数な面もあるので、ある程度はアク抜きをした方が良いでしょう。
アク抜き自体はとても簡単です。
アク抜き剤や重曹を使う場合は、つけた後、水槽に流木を入れる前に必ず真水に数日つけるか、しっかり水洗いするようにしましょう。