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アクアリウムにおける底床の役割と選び方

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アクアリウムにおける底床の役割と選び方

底床(ていしょう)と言われてもピンとこない方が多いと思います。

底床は底に敷く石や砂の事です。

アクアリウムにおいては自然を再現する為でなく、幅広い役割を持っています。

アクアリウムにおける底床の役割・種類・選び方をご紹介しています。

どうぞ、ご覧ください。

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そもそも底床ってなに?

初心者の方にとっては底床と言われても何のことだか分からないと思います。

底床というのは水槽の下に敷く砂や石などの事です。

自然を再現する為に入れている方も多いと思います。

実は底床には結構重要な役割があったりします

水質維持に効果があったり、水草の育成に有効だったりなどなど意外にその役割を知らない方が多いです。

底床の効果と役割

それでは具体的に底床にはどんな役割があるのでしょうか?

底床の効果・役割は大きく分けて5つあります。

ろ過バクテリアの繁殖

アクアリウムにおいてとても重要な生物ろ過。

底床は生物ろ過を担うろ過バクテリアの棲家になります

普通ろ過バクテリアの棲家といえば、ろ材と呼ばれるろ過フィルターの中ですよね。

実は底床の表面もろ過バクテリアの棲み着く場所になります

水質維持

底床がもともと持っている物質が水中に溶け出すことにより、水質を変化させます

底床は水質を変化させるので、この点は頭にいれておいてください。

種類によっては大きな水質変化を起こすものもあり、場合によっては熱帯魚がpHショックを起こしてしまう場合があります

しかし、これをうまく使えば、水質の安定化につながります。

最近では水質への影響を少なくした底床も多いです。

底床の中の一部(主にソイルと呼ばれる底床)には、水中の陽イオン(正の電気を帯びたイオン)を吸収します。

これによりアンモニウムイオン(NH4+)が吸収される為、水質を安定させる効果があります。

水質については別記事に詳しくまとめていますので、ぜひ呼んでみてください。

自然界の再現

底床を入れている水槽と入れてない水槽では全く違います。

水槽に底床を入れるだけで、水槽がグッと自然の風景になります

しかし、見た目だけの問題ではありません。

砂に潜って隠れたり、底床の中から餌を探し出して食べたり、いろいろな熱帯魚がいます。

その熱帯魚を観察する事も飼育の一つの楽しみです。

熱帯魚が本来持っている生態を再現する為の道具として活用する事が出来るんです。

水草の育成

アクアリウムにおいて底床を使う理由の一番は水草の育成です。

水草を育成するのに底床は必要不可欠だからです。

活着性水草や浮草以外の水草を育成するうえで底床は基本的に必要です。

底床は水草が根を張る為の土台となります。

さらに水草が生きていく為に必要なエネルギーを供給します。

水草の種類によって育成に適した底床が存在します。

生体の色揚げ

アクアリウムの目的の一つとして熱帯魚を観賞する事があります。

水槽の中で泳ぐ熱帯魚達をいかに綺麗に見せるかは一つのテーマになってきます。

その方法として底床の色を利用するというのも一つの手です。

熱帯魚には、底床の色の濃淡で自分自身の体色を変化させるものも多く存在します

濃い底床では濃い体色に、淡い底床では淡い体色に、という感じです。

特に底層を泳ぐ熱帯魚はその傾向が強いです。

この特徴を利用して魚の美しい体色を一層引き出すテクニックはよく活用されます

底床の種類とメリット・デメリット

底床にはいろいろな種類があります。

種類によってメリット・デメリットがありますので詳しくみていきましょう。

砂利・砂

岩や砂利など採取してきて、粒で選別して揃えたり砕いた石由来のタイプです。

粒のサイズ、川や海などの取れる場所によって呼び名が変わります。

最も利用されている底床です。

メリット

自然の素材で出来ている為、見た目が自然になります。

デメリット

岩系の素材なのでカルシウム成分が溶け出し、水質をアルカリ性に傾けます。

全く水質に影響しないものもありますが、どの程度アルカリ性に傾くかは素材によって異なります。

サンゴ砂

サンゴの死骸を砕いて底床に加工したものです。

水質に与える影響が他に比べ強い底床なので、ちょっと取り扱い注意です。

メリット

多孔質で目には見えない小さな穴が多く空いているので、ろ過バクテリアが多く棲み着く事が出来ます。

ろ過能力の底上げが期待できます。

デメリット

水質に与える影響が他に比べ強く、水槽の水質をアルカリ性に傾けます。

全く水質に影響しないものもありますが、どの程度アルカリ性に傾くかは素材によって異なります。

ソイル

栄養を添加した土を焼き固めたものです。

水草水槽などでよく使われる底床で取り扱いが少し難しい底床です。

メリット

水草に必要な栄養を多く含んでいる為、綺麗な水草水槽を目指すのであれば、選択肢はソイルしかないと言っても過言ではありません。

土なのでろ過バクテリアも棲みやすくろ過能力の底上げが期待出来ます。

デメリット

栄養成分が多く溶け出す場合、使い始めは水質が不安定になりやすいです。

メンテナンスや水洗いが出来ない上、再利用も出来ません。

長く使用していると形が崩れて泥のようになってしまうので、交換が必要になってきます。

セラミック

ソイルと同じく土を焼き固めたものです。

ソイルと比べると形が崩れない為、丸洗い可能な底床です。

メリット

ソイルと違い丸洗いが出来ます。

多孔質である為ろ過能力の底上げが可能です。

色もカラフルなものが販売されていて多彩です。

デメリット

ソイルに比べ、ガチガチに焼き固められている為、水草に必要な栄養をほとんど供給しません。

砂利系の底床よりは水草の育成に向いている底床です。

ガラス・アクセサリー系

これは番外編と言っても良いのですが、ガラスの素材でできたビーズやビー玉のような底床です。

メリット

水槽の見た目をキラキラにし、幻想的に演出してくれます。

水質に与える影響もほとんどありません。

デメリット

表面がツルツルなのでろ過バクテリアが棲みづらい為、ろ過能力はほとんどありません。

どの底床を選んだらよいの?

ショップに行くといろいろな底床が販売されています。

もし、水草も育てるのであれば、ソイルなどが良いですし、コリドラスを飼育するのであれば、少し小さめの石や砂などが良いです。

確かに目的によってこの底床が良いというのはあります。

しかし、そんなに神経質にならずにあなたの演出したい空間に合わせて、お好みの色や形のものを選ぶのがベストです。

まとめ

いかがでしたか?

底床は見た目だけでなく、いろいろな役割を持っています。

水草を育てるのならソイルが良いですし、コリドラスを飼育するのなら小さめの石や砂などが良いです。

これは良いというだけで、絶対そうしなければいけないという事ではありません。

あなたの演出したい水槽空間に合わせて選ぶのがベストです。

一つ注意してほしいのが、底床は水質に影響を与えるという事です。

底床を変えたが為に熱帯魚達が棲みにくい環境になってしまう可能性があります。

私の友達は水換えをして、底床が水質に影響する事を知らずに底床を新しいサンゴ砂に変えました。

すると、pHショックで熱帯魚がみんなひっくり返ってしまったという状況を目の当たりにした事があります。

バケツに元の水槽の水が入っていた為、すぐに元の水槽の水の中に戻し、魚達を何とか助ける事が出来ました。

間違えると大変な事になるので、底床を購入するときは水質に与える影響を考慮して購入しましょう

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